君にもう一度

私は負けを知らない人だった。

繁華街の裏路地でタバコを吸ってるおにーさんにちょっとやってみる?と言われたのが始まりだ。

その時一緒にいたのは幼馴染で、親友の愛歌。

本名は本庄愛歌。

わかる?あいかはずっと偽名だったの。

山崎茉奈。

これは私がつけた、愛歌の偽名。

気づかないはずがないでしょ?私がつけたんだから。

見た瞬間わかった。

名前や容姿は違えど、やっぱり本質は変わらない。

あー愛歌だな。

そう思う瞬間がよくあった。

私の本名は吉川春。

そんなことを愛歌は忘れていたのだろうか。

いいや、私はyellowだから、見逃していたのかもしれない。

私達が、紗矢、愛歌と呼ばれる2人が消えたあの日。

私の姉が死んだ日なの。

私の姉は喧嘩をしていた高校生に間違えられ、突き飛ばされた。

その拍子に頭を強く壁に打ち、帰らぬ人となったのだ。

愛歌からそのことを聞かされた時、信じられないことを私はしてきたのだと感じた。

私は自分の組が勝つためなら、有利になるなら平気で人を殺してきた。

身近な人がヤクザに殺される。

私はその感覚を身をもって感じたのだ。

もう。やめよう。

こんなことをしない。

それが、愛歌との約束だった。

まあ、全然、2年ぽっちで破ったけど。

愛歌なんか守ってすら無いから同罪かな。

私はもう、私のような思い誰にもして欲しくなかったの。

でも、無理だった。
翔先輩や、愛歌、大好きな仲間達が傷つけられるのを黙ってみれるほどいい子じゃないもん。

わかるかなぁ。

私は1番大切なの。仲間達が。