どうかしてる。
誰のものでもないという存在位置に定められていたほうがいい、美しい彼。
「何、」
「目閉じないの?」
照れたように視線を逸らした芽吹がそんなことを言って、再び私を鋭く見据えた。
目閉じないの、って、言葉だけで。何となくわかってしまう。いいのかわるいのか、線引き甘くて思考を放棄。
彼がそうだって言うならこれは、そういうことで。
「閉じたら、芽吹、どうするの」
「解って、彗」
そういうこと、間違ってるとか合ってるとかどうでもいいけど、初夏みたいな感情じゃないことだけが確か。
こわれてほしい、って。
彼の眼は私に言う。
だから私は、解るままで。
芽吹にキスをした。



