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「手ぇー、痛」
コントローラーを放ってベッドに寝転んでしまった彼は、休憩だと背伸びをしている。
「お疲れさま。芽吹があんなにムキになるの初めて見た」
「あんなの反則でしょ。このステージ狂ってる」
ほぼほぼ観戦者になっていた私は何のダメージもないけれど、ひとりで苦戦していた芽吹の顔には疲れが出ていた。
横向きに寝転んでだらけている彼に、落ちていたペットボトルを渡すと、億劫そうに起き上がる。
キャップを開けてコーラを呷った芽吹は溜め息を吐き出して、ぼうっとしたあと、なぜか私を見た。
「何?」
「今日夜飯食いに行こ」
「いいけど。急だね」
「彗の奢りね」
「それは聞いてない」
ちいさく笑顔を浮かべた彼の、珍しい突発的な提案。そんな時間なのかとスマホを見るけどまだそこまで夜には近づいていない。
学校以外で会った日、特に用がないならすぐ解散するし、次どうする?なんてこともない。
あ、でも。
「新作フラペチーノ飲みたいなー、でしょ、芽吹?」
「わかんの凄いね。大当たり」
「私もちょうど気になってた」
驚いたその表情に頷く。
外暑いけど、何せ新作は思い立ったその時に飲むのがいちばん美味しいの。
「よし、決まり。行こ」
「待って彗」



