星に焦がれたことなんて一度もない。
きれいだとか一度も。流れて欲しいだとか一度も。一ミリも、誰かを浮かべたことなんて。
ロマンチストだった両親が、思い出を表すように名付けた私の名前。しあわせ詰まってて悲しい。もう色褪せているくせに。
私の名前をあいしてくれることなんてもう一度もないのに、なんて。不幸自慢って言葉が存在するせいで誰にも言いたくないけれど。
だから家を抜け出して星が飾られた空の下、何から何までわすれるために走っている。呼吸する度に肺が、喉が、酷使。
星に焦がれたことなんて一度もない。
自分の名前みたいなエピソードなんて一度も。
なのにこんなに必死。家を抜け出してでも、一秒でも早く、会いたいとか。涙出そうとか。なんか自分のまんなかがヒリヒリしてて堪らない。
こんなに焦がれて、君に会いたいとか。



