「陽咲、今日は天気いいから外で昼メシ食べない?」
「うん。でもその前に黒板のあの部分だけノートに写したいから、少しだけ待ってもらってもいい?」
「もちろん。慌てなくていいよ」
お試しの交際開始から数日が経った。
私に対する氷乃瀬くんの接し方。
登下校やお昼休みなどを一緒に過ごしていること。
そんな変化に、女の子たちからは“もしかして、あの二人は付き合っているのでは?”という疑いの目を向けられることが増えてきた。
今のところ真相がどうなのかを聞いてくる人はいないけれど、それも時間の問題な気がする。
周囲の視線を感じながら板書を写し終えた私は、氷乃瀬くんと教室を出た。
「俺、中庭で食べるの初めて」
「そうなの?」
「1年の時は教室か誰も来ないような静かな場所で食べてたから」
他愛ない会話をしながら中庭へ向かっていた時。
「あの、氷乃瀬先輩!」
後ろから呼ぶ声に振り向くと、3人組の女の子たちが駆け寄って来た。


