◇◇
「あいつ、帰ったか〜?」
ガチャ、ドアが開く。
幹部部屋に入って来たのは藍だった。
「八永ちゃんなら、さっき輝が送ってきたとこだよ」
「つか真琴は。一緒じゃねェの?」
漫画を読む手を止めて聞いた茜に、「今日は行かねえって〜」と気だるげに答えた藍。
彼は焦茶色のロングソファに腰を下ろし、
「昼からカタカタ何やってんだよー、想乃?」
……俺がずっとパソコンを触ってたのが気になって来たのか。
真琴と一緒に呼ぼうと思ってたけど、自分から来たのならもう話してしまおう。
そう決めて藍に向き直ると、なぜか彼は茜と一緒にため息を吐き合っていて。
「まーたそんなに食って、大丈夫か〜?」
「……お前ってほんと凝りねェよな」
え、二人とも何言っ────輝!?
「ちょ、そのクッキーどっから出したの!?」
「あほおのはなおひは……んぐっ」
「いやどこ!!」



