『よし。今からダッシュで向かうから待ってろ!』
プツリ。あたしの返事を待たずに一方的に電話を切られた。おい暁!!
「今話してた“アカツキ”って、もしかして理事長のこと?」
電話が切れた直後、そう想乃に質問された。
頷けば、彼は「あの理事長と知り合いなの!?」と目を見開き、他のみんなも“あの!?”と顔を見合わせて驚いている。
え、なんでみんな“あの”っていちいち強調するんだ。
──ガチャ。
「ずっと気になってたんだけど、“あの”って……」
「アメー!!」
「ぐぇっ!」
いつの間にか屋上に入ってきた暁が、後ろからあたしに突撃して抱きついてきた。
ちょっと! 急すぎて変な声が出たんだけど!
「大丈夫だったか?」
抱きしめたまま、彼はあたしの耳元に顔を寄せてこそっと囁く。……だから抱きついたのか。
“大丈夫”と彼に伝えるために、あたしは小さく頷いた。
「──んじゃ、俺ら急いでるから!」
随分と適当な連れ出し方だなぁと呆れつつも、そう爽やかな笑顔を見せる暁と一緒に屋上から去ろうとする。
後ろから「え、待って!」とあたし達を呼び止める声がしたけれど、振り返らずに走って逃げた。



