「お、来たな」


「昨日ぶりだね」



 連れてこられた先は屋上で、昨日の美形集団がいた。まだ昼前なのに、パーティー開けしたスナック菓子の袋を囲むように座り込んでいる。


 屋上に着くと、ようやく藍に掴まれていた手首を放され、「適当に座りなー」と促されて彼らの輪の端に腰を下ろした。



(さっき藍が来たときの女子生徒の歓声、すごかったな……)



 あたしの自己紹介の時に『イケメン来いよ!』と叫ぶ生徒だっていたし、ここの美形集団はみんな人気なんだろうなーなんて考えていたら、ふと太郎の言葉が頭をよぎった。



『それに“五閃”のみなさんは、顔も性格も超カッコいいんス!!』



 ……い、いや、そんなはずないって。


 確かに“かっこいい五人組”ではあるけど……



「あ、あのさ」



 声を出したあたしに視線が集まる。


 意を決してあたしは言った。



「もしかして……“五閃”ってみんなのこと?」



「うん、そうだけど」


「誰かから聞いたか〜?」



 あたしが恐る恐る聞いたのに対し、想乃と藍がさらっと認めた。