「その名も、閃光の“五閃”」




 その名前を聞いた瞬間、あたしは理解した。


 父さんがあたしをこの学校に通わせたのは、暁やコウがいるからだけじゃない。“彼ら”もいるからだったのか。



「閃光は正統派の族で──」



 黄色信号の香が熱心に説明してくれているけど、正直今はそれどころじゃなかった。



 ──閃光(センコウ)



 閃光というのは、関東No. 1の暴走族のこと。


 歴代最強と称される今の代の総長、副総長、幹部らの計5名は“五閃(ごせん)”と呼ばれている。



 そしてあたしは一度だけ、そいつらと話したことがある。



 それはあたし……いや、“俺”らがまだ「天色」を全国一の族にする前。夜の繁華街の見回りをしていた時のことだった。