「俺らのこと、知らねぇのか……?」
真琴の隣に腰を下ろせば、そう小さく小さく呟いたのが聞こえた。
その声には──驚き、困惑、嫌悪など。色々な感情が入り混じっている。
(知らなくてもあの態度……)
自分で言うことではないけれど、俺たちは顔が整っている方だと思う。
だから初対面の女の子達の反応は、だいたい顔を赤くするか媚を売ってくるかのどちらかなんだけど────
「想乃」
「……わかってるよ、輝」
何が言いたいのかはわかるけど、もう少し言葉で伝える努力をしてほしい。
俺はため息をついて制カバンから白色のノートパソコンを取り出した。
──雨貝 八永。
申し訳ないけど、少し調べさせてもらうよ。



