「──で?」 声の方に視線を動かす、と。赤髪の茜がじーとあたしのことを見ていた。 ……何が“で?”だ。むっと顔を顰めてみせれば、「だからお前の名前は何なんだよ」と。 あ、この流れだと次はあたしの番なのか。 “ごめんごめん”と軽く謝って、あたしは何年も使っていなかった本名を久しぶりに口にした。 「あたしの名前は、雨貝(あまがい) 八永(やえ)。クラスはみんなと違ってA組だよ」 ────これが、あたしと彼らとの“二度目”の出会い。