「えーとすみません。あたしナンパとかよく分からないので、他当たってください」
そう銀髪からのナンパを丁寧に断わると。
「ぶっ、ギャハハ!! て、輝が女を口説くって……!」
「っ、しかも、振られてんじゃねぇか〜!」
赤髪と藍髪が急に笑い出した。
「ちげぇ。……本当に会ったことないか」
ようやく銀髪の無表情が崩れた。眉根を寄せて不愉快そうな顔をしている。
……あれ、もしかして口説かれたわけじゃない? 勘違いならすごく恥ずかしいんだけど!?
「な、ないと思うよ」
あたしは極力恥ずかしさを表に出さないようにしてハッキリ否定した。
だってこんなに端整な顔立ちの人、会ったらさすがに覚えてるって。
けれどその返答に不満があるのか、銀髪は再び無言であたしを見つめ始めた。嘘じゃない!!



