「……もしかして何かしました? 荒北も、彼女とよく一緒にいる二人の生徒も、五時間目から教室にいないと職員室で聞いたんですが」
「……へー」
「普段から早退の多い生徒なので、今回もただのサボりだと思われてましたが……」
違うんですね?とコウに鋭い目を向けられる。彼女たちの早退にあたしが関わっていると確信したようだ。
もともとコウに隠すつもりはなかったあたしは、先輩たちとの間に起きたことを説明した。
「──そういうことですか。……脅された荒北たちに同情します」
「いやちゃんと手加減はしたから!」
にしても、縦巻きロール先輩とショート先輩はわかるけど、プリン先輩まで帰ったのは意外だった。そんな性格には見えなかったけどなぁ。
あたしが三年の教室に行けば注目されるからと、教師であるコウに頼んで携帯を取り返してもらうつもりだったんだけど……帰ってしまったのなら仕方ない。
大事な用なら携帯が繋がらなくても家電にもかけてくるだろうし、プリン先輩なら明日にはきっと携帯を返してくれるはずだ。
そう判断したあたしは、今日はもう諦めてそのまま家に帰った。


