真琴が“みんな”に連絡を入れてから数分後。
遠くから数人の足音が聞こえてきて、バンッ!!と勢いよく屋上のドアが開いた。
屋上までの階段を走って上がってきたようで、肩で息をする二人が現れる。
「え、茜と想乃? 二人ともそんな急いでどうしたの?」
そう声をかけると、彼らは何かを確認するようにあたしの頭から足先まで視線を走らせた後、なぜか安堵の表情を浮かべた────かと思えば。
「てめェ、『どうしたの?』じゃねェよ!! どんだけ探したと思ってんだ!」
「お手洗いの後、どこ行ってたの!」
「ごっ、ごめん……」
二人の勢いに押されて、咄嗟に謝罪の言葉が口をついて出た。
どうやらあたしを探していたらしい。
(真琴が連絡した“みんな”って、信号機じゃなかったのか……?)
想乃から話を聞く、と。
本鈴が鳴ったとき信号機から“あたしがトイレに行ったきり戻ってこない”と伝えられ、真琴以外は屋上を出て探しに行ったのだと。
ちょうどその頃、あたしは行きと同じく正面玄関の反対側にあるドアを通って屋上に向かっていたから、運悪くすれ違ってしまったようだ。
あたしはさっき真琴に伝えた嘘の内容も含めて、すれ違うまでの経緯を二人に説明した。


