「次の授業をサボりたくて、校内でどこかいい場所がないか少し探し回ってたんだ」
「……香たちには連絡せずに?」
「しようとは思ったんだけど、携帯を制カバンに入れたままだったのを忘れてて……。だからサボるついでに、この時間はいつも屋上にいるって言ってた想乃から香たちに連絡してもらおうと思って、ここに来た」
あたしはいつも教室に制カバンを置いて学食に行くから、今日は携帯をカバンの中に入れたままで持っていなかったということにした。
その返答に納得いかなかったのか、ふーんと彼は不服そうに口を尖らせる。……“美少女”ってどんな顔でも可愛いな。
「──あ。でも屋上には俺しかいなくて、俺が全然話を聞こうとしなかったから連絡が……」
「いや真琴は一切悪くないから!」
信号機たちへの連絡を後回しにして、屋上にサボりに来たあたしが悪いんだ。「真琴のせいじゃない」と強く伝える。
「それで今更なんだけど、『連絡が遅くなってごめん。今屋上にいる』って香たちに連絡してくれない?」
きっともうサボりか早退だと思われてるだろうけど、過保護な彼らにまだ連絡していないことが気がかりでお願いした。
すると真琴はハッとして、「やべっ、みんなに伝えねーと!」──ポケットから出した黒色の携帯をカチカチと慌てて操作し始めた。


