「なんで、あたしが姫になることを受け入れたの?」
女が全員外面だけを見ているわけじゃないことも、女に怯え続ける今のままじゃ駄目だということも、真琴はちゃんとわかってる。
「……姫ができたら、何か変われるかもしれないって思ったから……」
その上で、彼は“変わりたい”と願ってる。
「変わりたいと思った時点で、すでに前を向けてるよ。それに……真琴には、頼れる仲間がたくさんいるでしょ?」
頼れる仲間が、自分のことを大切に考えてくれる仲間が、彼の側には大勢いる。
「大丈夫だよ、まだ時間はたくさんある。女に慣れるために、あたしのことを利用したっていい。だから──…」
だから、さ。
「“女”を理由に拒絶しないで、ゆっくりでいいから、前に進もう」
再び“大丈夫”と。あたしは優しく真琴に微笑んだ。
自分は前に進めていないくせに。
それでも、あたしは自分と違ってまだ希望がある彼を、どうしても安心させたかった。


