──それから数ヶ月後。学校から帰っていつものように母さんに話しかけていたある日。
離婚してから初めて俺を見た母さんは、目が合った瞬間、笑顔になって小さく何かを呟いた。
俺は聞き取れなくて、慌てて母さんの側に駆け寄ったんだけど……それがいけなかったのかもしれない。
母さんは急に俺を近くのベッドに押し倒してきて、体の上に馬乗りになった。
……意味がわからなかった。
真上で何度も何度も“父さん”の名前を呼んで笑ってる母さんが、実の息子相手にしようとしてることが。
歪な笑みも、体中を這う手も、吐き気がするほど気持ち悪くて。一刻も早くその場から離れたかった────けど。
体がまったく、動かなかった。


