─────────────

────────…



「あーもう、遠い!」



 本鈴が聞こえてきたから、今は13時20分。


 あたしは途中参加だけど授業を受けるか、屋上に寝に行くか。本校舎に向かって歩きながら深刻な悩みに直面中だ。



「……屋上行くか」



 正直授業といっても、外の景色や生徒たちの後ろ姿を眺めるてるだけだし。


 前に想乃が『俺たち四時間目以外はだいたい屋上にいるから』と言ってたことを思い出したあたしは、屋上でみんなとサボる方を選んだ。


 そうと決まればコウと信号機たちにメールしようとスカートのポケットに手を突っ込む────あれ。



(やば、プリン先輩に携帯奪われたんだった!)



 ……ま、次はコウの授業じゃないし、信号機たちには屋上で想乃に連絡してもらえばいっか。


 携帯は放課後にでも返してもらおうと呑気に考えたあたしは、やっとたどり着いた綺麗な本校舎に足を踏み入れた。