無理やり?

次の瞬間、吹き矢が飛んできた。

美月は最初は避けていた。

───が流石に全ては避けきれずひとつに当たってしまった。

それは毒なようで美月が頭をおさえた。

「美月っ!!」

すると美月が体制をなおして、こちらを見た。

ナイフを持って。

そしてこっちに走ってくる。

美月は泣いていた。

無理やり身体が動いているのか?

「美月っ!!」

「あ…やと」

どんどんナイフが俺の首に迫ってくる。

避けられる。

「無駄だ。 その毒は誰かを刺すまで終わらない」

見た感じ、美月は左手は動くらい。

それに対しての『無駄』だろう。

今、美月は自分の腕を左手でおさえている。

俺は美月の瞳をみた。

その瞳は覚悟の瞳だった。

俺には何となく美月の考えていることが分かってしまった。

「まさかっ!!」

その瞬間美月はナイフを自分の方に向けた。

「綾人、迎えに来てくれてありがとう」

俺は手を伸ばして、止めようとした。

が、届かなかった。

美月は自分にナイフを刺した。