あれ?苦しい。
これも毒…かな?

身体が自由に動かない。

その時勝手に身体が動きだした。

私は確実に綾人たちの方へ向かっていく。

意識はあるのに、動けない。

なんで?
これがこの毒の効果?

私はナイフを持って綾人の所へ走り出していた。

そして、綾人にナイフを向けた。

やめてよ、もう人を殺したくないよ。
それにみんなを傷つけたくない。

気づいたら私の目からなにかが溢れていた。



「美月っ!!」

指がピクっと動いた。

まさか、効果が少しづつ途切れている?

左手なら動く。

その間に私のナイフを持った右手は勝手に綾人を刺そうとしている。

私は咄嗟に左手で自分の右手をおさえた。

「無駄だ、その毒は誰かを刺すまで終わらない」

それなら…。

「綾人…助けに来てくれてありがとう」

「まさかっ!、」

私は左手でナイフを自分の方に向け、自分を刺した。