「もっかい聞くけど。何してたの?」
「……まず名前だけでも教えてもらえませんか?」
せめて名前は知っておきたいと思った。
なにかあったときのために。
その人は困ったような顔をして、胸ポケットに手を突っ込んだ。
そこから取り出したのは薄っぺらい紙。
受け取ってみると、学生証だった。
『楢岡高校 3年5組 若月悠希』
「わかつきゆうき……」
なんか聞いたことある気がする。
「生徒会長じゃん!!……あすいません」
びっくりしてバカでかい声を出してしまった。
「まあ一応そうだね。もう学生証いいでしょ?なにしてたの?」
最後の言葉に、私が学生証を差し出す手がピタリと止まった。
この際全部言っちゃうか。
「火事です、知ってますよね」
「……アンタの家?」
「そーです」
「………」
生徒会長はなんとも言えなそうな表情をして黙った。



