生徒会長に拾われて同居することになりました

「いったぁ……」


体中がズキズキと痛む。


早く逃げなきゃ、と思ったけど、そうしているうちに左手をがしっと掴まれた。




「名前は?」



速水(はやみ)(いと)、です」



名前を言ってから後悔した。




通報。



その言葉だけが頭の中をまわった。




どうしようか考えていると、その人がじーっと見てきた。




「その制服……あんた、楢岡高校?」


「えっ……」


思いがけない単語が出てきて、思わず声が出た。



寒いのが、さらに寒くなっていく感覚だった。



学校までバレることは想定していなかった。


どうしよう。




「俺も楢岡高校なんだけど」



「えっ!?」



楢岡高校はここから十駅ほど離れていて、このあたりで楢岡高校に通っている人なんて見たこともなかった。


よく見るとその人は、たしかに楢岡高校の制服を着ていたから、嘘ではないんだろう。