「コータきゅん怖がらせちゃダメじゃないの」

「怖がらせてねぇよ!つーか、まじでブスじゃねぇか。詐欺じゃねぇか」



ブツブツと呟く灰色に首を傾げる。



詐欺?



「なんで、ブスにこんな、くそ…ブスのくせに」


首を傾げるあたしに気付く事もなく、ブツブツと呟き続ける灰色。



「あ、」



そんな灰色を見て気付いたことが一つ。


片手を首の後ろに置く灰色。



「コータきゅん、照れたり困ったりすると首の後ろに片手を置くのよ」



先程のオカマの言葉が脳裏を過る。何に困ってるのだろうか。



「コータきゅん、照れないの!ほら良く見てよ!折角アタシが、コータきゅんとお揃いになるように前髪をアシメに切ったんだから!」



オカマのその言葉に、あたしと灰色の身体がピタリと止まった。