「……さい、」
声が聞こえてきて身体が揺すられる。
「んー…」
「起きなさいって言ってるでしょ、んもう!」
寝ぼけ眼を擦りながらゆっくりと瞼を開いていく。
「どんだけ疲労溜まってたのよ、全く。終わったわよ」
軽く肩を叩かれて終わったわよ、なんて言われた事でそう言えば髪を切ってもらってたとぼんやり思い出す。
「いい感じでしょ?」
やっとハッキリしてきた視界と思考で目の前の鏡を見て。
ボブになった自分の髪が鏡に映る。
「え、」
鏡に映った自分を見て驚きのあまり声が漏れる。
「前髪…が、」
長かった前髪がばっさり切られていて、思わず手で押さえる。あたしの壁の1つだったのに。
前髪は右側が長いアシンメトリーにされていた。
