テーブルの両側に置かれたソファに、それぞれ金色と灰色、反対側に銀色とオレンジ色が座ってる。
あたしも大人しく、いつも座らせられてる金色の隣に座る。
持ってきた鞄からお昼ご飯を取り出す。
「……君、いつも思うけどちゃんと食べなよ」
呆れた声が隣から聞こえてきて、視線を向ければ案の定呆れた表情の金色。
「食べてる」
あたしはお昼ご飯を金色に見せる。
見せるのはカロリースティック。
一本で栄養が取れるお手頃な品物だ。
「それはお昼ご飯とは言わないんだよ」
首を振る金色を無視して、カロリースティックを開けて口に含む。
別に美味しいとも不味いとも思わない。
兄が心配するから何か食べるだけ。
2本入りの袋だけど1本で充分。
5分もせずに食事が終わる。
「はぁ?!ブスもう食わねぇのかよ!」
1本残るカロリースティックを鞄に仕舞うあたしを見て、灰色が眉間にシワを寄せる。
「食べない」
「どんな胃してんだよ」
食べないと肯定すれば、有り得ないと睨まれた。
どうして睨まれなくちゃいけないの。
