ポケットから携帯を取り出して時間を確認すれば時刻は既にお昼休み前最後の授業。
校舎裏に連れ出された時間を思い出して計算すれば、軽く1時間以上も暴力を受けていたらしい。
そんな長い時間暴力を振り続けて、疲れなかったのだろうか。
暫くそうやって座っていればほんの少しだけ、気休め程度に和らぐ痛み。
いつまでも此処に居る訳には行かないので、身体に鞭を打って立ち上がる。
…それに誰かが校舎裏に生えてる木の裏に誰かが居る。
「っは、」
息を吐き出すのも辛い位で、歩く度にその振動で身体に激痛が走る。
いつもは直ぐに着くこの距離すら永遠に思えてくる。それでも何とか辿り着いた教室。
入る前に制服に着いた砂を落とす。
何とか、汚れは目立たないくらいになったと思う…多分。
教室に入ればクスクスと聞こえてくる声に、溜め息を吐き出す。
席に座って、時計を確認すれば授業が終わる5分前。
……結構時間が経ってたみたい。
直ぐに授業終了のチャイムが聞こえてきて、お昼休みを向かえる。
今日も龍神の人達とお昼ご飯かと考えるだけで、憂鬱になる。
どうせ誰かが迎えに来て、それを見られてまた明日、パンダ達からやっかみを受けるんだ。
「面倒臭い」
思わず声に出たその言葉は、
「人が迎えに来てやってんのに、面倒臭いとか良いご身分だな?ブス」
耳元で聞こえた灰色の声に一瞬で掻き消される。
黄色い声が教室のそこら中から沸き起こって、騒がしいことこの上ない。
