カシャ。

カメラの音が、静かに鳴った。


気がつくと、少女はもういなかった。

土門が慌てて振り返ると、少女は友達と二人で走り去っていく後姿が見えた。


「女はきまぐれだな。」

土門の肩ににやりとした尾上が、右手を置いてそう言った。


終わりだと思ったこの季節。

ここから始まった。