家の前から、走ってわたしたちのもとへやって来た。




「どうかした?」



「どうもしないけど、お前が遅かったから……気になっただけだ。というか何で響が一緒なんだよ」




不服そうに響くんを見る小鳥遊くんに、わたしが割って入った。




「途中って……すぐそこだけど、たまたますれ違って響くんが手伝ってくれたの。本当偶然で」


「心配なら心配って言えばいいのに。颯くん本当にツンデレ」


「は!?どこがツンデレだよ!デレてねぇだろ」


「はいはい、野菜いたむから先に行くよ」




ひらひらと手を振って家の中へ入っていった響くんをなんとなく二人で見つめた。

だけど、未だ不服そうな顔をする小鳥遊くん。



「あー……ごめんね?遅くなって。わたしが詰め放題に気合い入れすぎたから」



「……重いなら俺に連絡しろ。お前、遅くなってなんかあったらどうすんだよ。次からはちゃんと連絡してこいいいな?」



「う、うん。でも……」



「そうしろ」




わたしが頷くまで小鳥遊くんは譲らないって雰囲気を醸し出しているから、素直に頷くことにした。

前に言われたことは置いといて。



【一緒に登下校はしないこと】






「……わかった。そうするね」


「おう」




そして、無言で伸ばされた手は、わたしが持つ買い物袋を渡せって意味なんだろう。


そっと小鳥遊くんに渡せば、




「行くぞ」


「うん」






……ちょっと耳が赤かった。