と、思ってたんだけど──
響くんがおかしくないかと聞いてきたものだから、クラスにいるとき気になっちゃって。
つい小鳥遊くんを目で追ってはみたものの、やはりいつも通りにしかわたしには見えなかった。
──小鳥遊くんのことだから、表情とか行動を見てればわかりやすいかと思ったのに。
実際、そうでもなかった……という。
結果、わたしにはわからない。仕方ないけど。
「小柳」
「な、なに?」
考え事にふけっていたわたしの席の前に立っていた小鳥遊くんに、焦った。
「あの……そのー……何て言うか」
ん?
「だからっ……俺の……さ」
おっと……これははじめて見る小鳥遊くんやもしれない。
わたしと目が合うなり、モジモジ……というか、挙動不審?な感じ。
これが、
響くんが言うおかしさと、
雪さんが言うなにか言いたそう、ってやつかな。
小鳥遊くんの言葉の先に何があるのか気になっていたけど、一人唸った果てに、
「……っやっぱなんでもねぇ」
何故か顔を赤くして席に戻っていった。
しかも、項垂れてる……
──明らかに何かおかしいし言いたそうだ。



