御曹司たちの溺愛レベル上昇中





「ガーベラにそんな意味があるんだね。響すごい」




小鳥遊くんと響くんからの飛び火に、雪さんはまた穏やかさを発揮した。

しかし、言い合いをはじめた二人はまた何かを言うために口を開いた……ところで




「ストーップ!」



とりあえずわたしがとめないと永遠に続いてしまう気がしてならない。



「缶はチョコレートのやつで、勉強はそんな長くなかったし……お花は言う通りガーベラです。宜しくって貰ったの。クッキー、あったかいうちに食べて欲しいんだけどなぁ……」



困ったように、だけどチラチラと三人を見ながら伝える。……はたからみたら、わざとらしさたっぷりだけど。

わたしはクッキーが並ぶ皿をテーブルの方へ運んだ。





「……響、休戦だ」


「ですね。琉衣さんの心遣い無視できないし」


「そうだね」




すぐに三人もこちらにやって来た。


ヒートアップするのも早いけど、おさまるのも早いのは良し悪しね……

ソファに座って食べてくれる三人に胸を撫で、わたしは持ちっぱなしのクッキーを頬張った。




「あ、村田に写真送ろーっと。雪兄撮って」


「いいよ」



小鳥遊くんの携帯を雪さんが受け取ろうとしたけれど、小鳥遊くんは何か閃いたのか、雪さんには渡さずわたしのもとへと来た。


首を傾げるわたしの横に小鳥遊くんが立つと、




「小柳、クッキー持ってて」


「う、うん」



食べかけのクッキーをわたしに渡して、携帯を自撮りモードにした。



「え、わたしも?」


「村田に元気してるぞーって分かるじゃん?ってかもっとこっち寄れ」


「わっ」




わたしを引っ張り寄せ、小鳥遊くんと肩が触れあった時、小鳥遊くんはカメラのボタンを押した。