さっきよりも近く……というより、
響くんの片腕にすっぽりと抱き寄せられ、小鳥遊くんを見上げる響くんの横顔が――
ど、どういう状況?
というか、時折冷たい響くんが何故?
「違うの?颯くん」
軽く煽る響くんに、小鳥遊くんの顔は僅かだけど、赤くなっていた。
「や、妬いてなんかねぇし!……つか何でお前、小柳にそんな距離感なんだよっ。つめたーいデリカシーなさ男だったくせに!」
確かに、越してきた日も、アパートの時もちょくちょく冷たさが見え隠れしたから本当、
小鳥遊くんが言う、距離感に戸惑ってる。
「村田さんから仲良くって言われたなーと思って、少し心を入れかえてみました。それに、颯くんと付き合いが長い女の子友達なんて、珍しいから」
「……意味わかんねぇ」
「響くん、わたしたちが中学生の頃から友達って知ってたの?」
「あ、確かに!何でだよ」
「初日の二人の会話、聞いてましたから」
『え?』
何食わぬ顔で聞いてました、という響くんに、
小鳥遊くんとわたしは目を合わせた。
初日って――



