ぼふっ――と、ソファへ半ば突っ込むようにして座ってしまった。


思わず閉じた目を薄く開ければ、




「っ……!?」



響くんの顔が目の前にあって……

反射的に身体を引いたけど、掴まれたままの手にそれは許されず。




「こういう意味です。一緒に住んでるんですから、一々断らないで座って下さい」



ね、と……この近距離にわたしは、小さく頷くことしか出来なかった。

だが



ふとわたしと響くんの間に影が落ち、顔を上げようとした時――




ゴンッ!




「いった!!」


「ちょっ……小鳥遊くん!?」



小鳥遊くんが響くんの頭を缶の蓋で叩いたのだ。


わたしの手を離し、痛そうに両手で頭をおさえる響くんを小鳥遊くんは見下ろす。



「急に何するんです!?」


「何するんです、は俺の台詞だっての!近い!離れろ!小柳に何してんだお前っ」


「言い方ってもんがあるって言うから、手を引いてあげたんでしょ!?」


「どうぞとか、いいよで十分だろうが!なぁにが……こういう意味です。だ!」



小鳥遊くんが響くんを真似て言えば、響くんはわたしの手を再び取った。

わたしが軽く首を傾げれば、にこりと響くんは笑う。そして視線は小鳥遊くんに向いた。




「颯くん、ヤキモチでしょ?……よっと」


「おわっ」



「なっ……!?」