「……うまい」
今日も無事完成。
オムライスは普通に出来たけど、響くんのサラダの見た目はバッチリだ。
「ほらね、僕の方が颯くんより出来るんだ」
「俺は小柳に言ったんだよ!こ、や、な、ぎに!」
素直に嬉しいけど、響くんも褒めてあげて……
みじん切り頑張ってたから。
わたし咀嚼してるから言えないし。
「サラダもみじん切りも食べやすくしたつもりですけど?」
「ふーん、これが?」
サラダのキュウリがうまく切られてなく、連なっているのを小鳥遊くんはぷらぷらと響くんに見せた。
「そ……それはっ」
「それは?」
「の、伸びしろってやつでしょっ?完璧に作れるまで失敗も経験のうちですし」
少し拗ねたように食べ進める響くん。
小鳥遊くんは楽しそうにしながら、キュウリを口に運んだ──
「連なってもうまいうまい」
「美味しいよサラダ」
「そうですか」
ちらっとわたしを見て、響くんはすぐ目を反らす。
冷たい時もあるけど、小鳥遊くんとの会話を聞くとちらり、可愛さというか……垣間見えるし、
本人が言うように、料理スキル伸びそうな気がするなぁ。
ちょっと楽しみ。



