口を押さえて小さく笑ったつもりだったけど、聞かれちゃったみたいで、二人に見られた。
「……響のデリカシーの無さに笑えてきたか」
「何でそうなるんです?絶対違うでしょ」
「お前の心ない言葉でも笑って許す。小柳が優しくて良かったな、響。お前モテないだろ」
「おあいにくさま、モテますよ割りと。……颯くんとは違って」
「最後なんつった?聞こえてんだよっこのデリカシーなさ男!」
「はぁ!?」
あらら始まってしまった……
昨日と今日でしかこのやり取り見てないけど、見てる側としては、面白いんだよね。
「よいしょ」
わたしは階段に座りながら、二人の様子を見つめた。



