わたしは押し入れを、小鳥遊くんたちは台所の食器を。
時折二人の会話を耳にしながら、クリアケースの掃除も勿論中の物も、順調に整理できた。
これで押し入れもだいぶ綺麗になってきたかな。
クリアケースもいらないし……後は──
「つかぜってぇ、雪兄来ねぇじゃん。もしかして村田のやつ俺たちだけに送ってきたのか?」
「さあ。一応連絡はいってると思いますけど」
「だとしたら正真正銘のばっくれかよ……」
「分かりきったことでしょ?同じ家にいても雪兄さんには僕たちでさえ、たまに会う程度ですし」
「まぁそうだけど」
──そうだ。
最初に村田さんからお三方、って言われてたんだ。
小鳥遊くんたちには悪いけどつい聞き耳をたててしまった。
でも、たまに会う程度ってどういうことだろ?
確かに初日の晩御飯には居なかったし、見かけることもなかった。
雪兄って呼んでたから、雪……さん?
どういう人なんだろう……
気にはなるけど、自分から聞くのはよそう。変な詮索もしたくないし、会えたタイミングで挨拶すればいいんだから。



