「と、言うわけで添付された地図と住所を頼りに来たんだよ」
「そう、だったんだ……」
村田さん、わたし一人じゃ大変だと思って……小鳥遊くんたちに声をかけてくれたんだ。
本当に村田さんには頭が上がらない。
「朝に連絡来たはいいけど、一緒に行こうと待ってたのに気づいたらお前居なかったし……いつの間に出てったんだよ」
じーっとわたしを見据える小鳥遊くんに、苦笑いしかできない。
「ごめん、昼前まで寝てて片付けしないとって、急いじゃったから」
「……まぁいいけど」
なにすりゃいいの?と、小鳥遊くんは軽く腕まくりをしながら家の中へ。
わたしは小鳥遊くんの様子に呆気に取られた。
「ね、ねぇ小鳥遊くん」
「ん?」
「その……アパート見た、でしょ?なんというか……」
ボロボロでしょ?
狭いでしょ?
汚いでしょ?
口ごもるわたしの言いたいことがわかったのか、小鳥遊くんはまっすぐわたしを見た。
「おんぼろ」
う……面と向かって言われるとちょっとくるものがある。
わかってはいるのだけど。
「……でもだからなんだよ」



