「待たせんな。すぐ開けろバカ」
……なぜ、小鳥遊くん?
小鳥遊くんと目が合うなり、わたしは静かにドアを閉めかけた──ところで、
「なっ!?おいっ!」
小鳥遊くんの手が止めに入り、ドアが限界まで開かれる。
その勢いでわたしの足がアパートの廊下に出てしまった。
「ご、ごめん反射でつい……と言うより何でここに?場所教えてないのに……」
友達も呼んだことないのよ?
中々のボロさなんだから。
すると小鳥遊くんは、わたしに携帯を見せた。
「村田から連絡があったんだよ」
「村田さんから?」
"ぼっちゃま方へ
先日お話しした通り、琉衣さんお一人でお家の片付けをなされております。
なのでぼっちゃま方には、琉衣さんのお手伝いをして頂きたいのです。同じ高校に通われているのですから、仲良く……ご協力願えますね?
くれぐれも失礼のないように。仲良く!お願い致します。
おサボりはいけませんからね。
後、琉衣さんは昨日お疲れでしょうから。自室から出るまで起こさぬようよろしくお願いします。
村田"



