「どうしろと?」


小鳥遊くんはボウルを両手に、首をかしげた。


そんな小鳥遊くんにわたしは笑って見せる。




「これ使って。人参の型抜きお願いできればと思って」



村田さんが、よくお菓子作りをするのか、食器棚の箱にクッキーの型抜きがたくさん入っていたのを、今見つけた。

星やハート、花……バリエーション豊富だ。




これなら小鳥遊くんも楽しく出来る、はず。
少し子供扱いしたみたいだけど、

わたしは出来そう?と小鳥遊くんにたずねた。





「あったり前だっ!全部していいんだろ!」





思った以上に……ノリノリだ。
目がきらきらして見える。


型抜き、好きなのかな?

それとも、型抜いた人参にわくわくしてたりする?



早速、楽しそうにやり始めた小鳥遊くんを横目にわたしもカレー作りを始めた──