「あ、あのね……」
うっ……ああっだめ。
頭から言葉が消えていくみたいに白くなっていくのを直に感じる。
せっかく、伝えるにはいい瞬間なのに。
友達に言う好きと違う好きを言ったことないから、詰まって仕方ない。
がんばれ、がんばれ……わたし。
スカートの裾を握りしめうつむきかけていた視線を徐々に颯くんへと合わせていく。
わたしを見る瞳と目が合えば、
頭の中、マグマみたいになってる。
けど、言わないと。
「わ、たし……」
思い通りに口が動かない。
勝手に震える口をどうにかするために、深呼吸とともに顔をたたいた。
勿論颯くんは驚いてるけど、何も言わずにわたしの言葉を待ってくれている。
大丈夫、大丈夫──
「……わたし、颯くんのことが……すき……です」
あまりにも小さかった。
震えた声が。
それでも、真っすぐ目を見て告げられた。
言い終えた矢先にわたしの視線は地面に向かったけれど。
後は、颯くんに届いたかどうか……。
なのに、いっこうに何も言葉はふってこなくて。
込み上げてくる不安からまた颯くんの方にぎこちなく視線を上げた。
瞬間──
ふわりと正面から強く抱きしめられた。



