御曹司たちの溺愛レベル上昇中



……って、そらしてる場合じゃない。

わたしも、聞いてばかりでいたらいけないから。


「じゃとりあえず行くか。今日の手伝い俺だし」


ゆっくりと立ち上がった颯くんは、わたしの缶も一緒に捨てると、スーパーの袋へと手を伸ばす。


「あ、ま、待って……!」

「ん?」


思わず、立ち上がって止めてしまった。

この後の言葉、うまいことまとまっていないというのに。


「どうした?」



ここ数日で分かった。

きっと、わたしは咲ちゃんの気持ちを知っていたから、颯くんへの想いを友達として好きなんだと大事なんだと自分の気持ちに言い聞かせて、恋愛感情の好きって思わないようにしていたんだって。

多分、球技大会でもやもやしたのは颯くんのことがわたしの中で特別だったから。

文化祭での告白宣言をされた時も、胸が重くなったのは、颯くんが告白されるのが嫌って思ったから。

断ったって聞いて安心したのは……颯くんのことを好きだったから。

全部、わたしが押さえたり気にしないで流していたから。気付けなかったことだらけ。



でも──


"もし、琉衣ちゃんがその気あるなら……応援したいなって"


颯くんを好きな人、咲ちゃんからそう言ってもらえたのなら、引っ込めてる必要……ないんだよね?
気付かせてもらったんだから。