さみぃ、と言いながら歩いていた颯くんも少しは温まってるといいけど……。
「なんか……久々にお前と二人になった気するな。周りに誰もいねぇし」
「え?ああ……そうかも、ね」
家では……もう、騒がしいから。
ゆっくりと過ごすようなことがあまりなかった。というよりなくなっていた、という方が正しい。
「やっぱお前はいいな。隣にいるとこう……落ち着くっていうかさ。気張らなくて済むから」
そう……なんだ。わたしは緊張するけど。
だからといって、安心しないわけではない。
ただ今は少しイレギュラーだから。
ひとつ屋根の下で、三人からの気持ちの返事をしていない、状態でいるそんなイレギュラー。
颯くんの言う久々に二人になったことをいいことに話をしてもいいかな。
周りにも人がいないし。
「……颯くんはさ」
「ん?」
「わたしのこといつ……す、好き、になってくれたの?」
「ブッ……!?」
ココアを飲みながら横目に返事をしてくれたところで噴き出した颯くんの背中を擦りながら謝ると、むせりながら大丈夫大丈夫と手で合図してきた。



