「ううん、ちょっとガーデニング本見ようかなって。木曜日だけ、穴場なんだよ図書室。色んな部活が休みじゃない日だから。ほとんど人が来ない」
「そうなんですか?」
だから雪さんが図書室にいたんだ。
人が少ないところを好む雪さんらしい。
「うん。琉衣ちゃんは?」
「あー……わたしは」
恋愛関係の本を、とか言えない。
でもわたしのいる棚というか、立っているところには恋や恋愛、といったワードばかりの本だらけで……。
うまく誤魔化す言葉が見当たらない。
そして案の定、雪さんは棚の本へと目をやった。
「……もしかして、恋系の本見てたの?」
「み、見ようとした気持ちはあったんですけど、やっぱりやめました。なんか違うかなって」
苦笑いをまじえて答えれば、雪さんから困ったような笑みが返ってきた。
「告白してから……悩ませたり困らせたりしてるのは俺なりに理解してるつもり。少し見守ろうとか思っても、琉衣ちゃんと居ると困らせちゃうこと、したくなって……俺も色々しちゃうから。それはごめんね」



