「あいつ頭良いからマジ侮れねぇ……。ていうかまず忘れろ。お前は俺のこととメロンパンのことだけ考えとけ」
「颯じゃなくてそこは俺でね」
え……そんな。
さすがにそれはだめでしょ?
わたし、三人から時間もらってるんだから。
***
"恋に困った時に読めばためになる──云々"
誰もいない図書室で長々と書いてある題名の本に手を伸ばす。
我ながら何してるのか、そう思うけど
恋に無縁だったわたしには何かしらのヒントがもらえたりして?なんて思考が生まれて、ふらっと放課後に来てしまったわけだけど。
「でも……こんなものにすがったところで」
答えが決まるわけじゃない。
人がいないことをいいことに大きめの息を吐きながら力なく伸ばした手を垂らすと、
「琉衣ちゃんだっ」
本の隙間の向こうから嬉しそうに雪さんがこちらを見ていて、すぐさまこちらの棚へと移動してきた。
「誰もいないと思ってたけど、琉衣ちゃん発見」
「あはは……わたしも誰もいないと思ってました。雪さんは本を借りに来たんですか?」



