御曹司たちの溺愛レベル上昇中




「……思い出しました?別荘でのこと。似たような光景でしょ?見上げれば僕しかいない。前は止められたけど、今はこの場に誰もいないですし」

「っでもわたしはまだ──」

「どうするか決めてないって?分かってますよ。分かってるから、自分のもとへ来るよう……こうして本気で気持ちぶつけてるんです」

「っ!」

「今なら、誰にも邪魔されない。フェイクじゃないキス、してもいいでしょう。……そろそろ本気でしたいんですけど、僕」


余裕ないんですよ、と普段の響くんなら言わないような台詞。

そのまま詰められる距離にぎゅっと目を瞑り、顔をそらす。ほんの、少しの抵抗。

すると、クスッと響くんの声が聞こえ、目を開いたと同時に頬へと口付けられた。


「ねぇ琉衣さん。……僕じゃだめですか」


積極的な行動とは裏腹に響くんは掠れたか細い声と共にわたしを見下ろし、わたしの指に自身の指をゆっくりと絡める。


「僕は小鳥遊の三男です。小鳥遊グループは順当に雪兄が継いで、颯くんは……分からないけど僕は継がなくていい。補佐で十分。……無理に小鳥遊の名を継がなくていいポジションです」