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『一大事だ……響、雪兄』
帰宅直後、共有ルームの取っ手に手をかけた時、中からそんな声がして手を引っ込めた。
──一大事?ってなんだろ。
『なんですか急に。颯くんの一大事なんて興味ないですよ』
『どんなことなの?……はっ、まさか琉衣ちゃ──』
『早く話してください』
わたしのこと?
『お前なぁ……まあいい。小柳が俺たちのことで日々考え悩んでるのは分かるだろ?んで、その悩みから小柳に一大事。……多分だけど悩みすぎてあいつ──』
え!?、と響くんたちの声が響き、最後を聞き取れなかったわたしは勢いよく扉を開けた。
「ちょっと颯くん!?」
「おかえりなさい琉衣さん。購買のメロンパンが喉を通らないって本当ですか?」
え……?メロンパン?
「今週に入っていつもより食べる回数も個数も減っただろお前。明らかにおかしい」
「ご、ごめんね俺たちがあまりにも琉衣ちゃんのこと好きなばかりに……。少しは離れる努力を……ちょっとなら、多分……できる……でき……無理かも」



