御曹司たちの溺愛レベル上昇中


ただ靴がないため、こちらにはこれない。
だからか、雪さんはやだやだと首を振り気持ちちょっと勝手口から離れた。


「響、お前なんでもいいから履けるもん取ってこい」

「なんで僕?颯くんが取りに行ってくださいよ。僕は雪兄さんが何もしないか見張ってるから」

「なんで俺……でもそれもそうか」


確実に言いくるめられている颯くん。
響くんにまんまとのせられてしまい、納得し履けるもの探しに行ってしまった。


「ってことでほーら雪兄さん、そろそろ琉衣さんをこちらに」

「やだ」

「花も渡せたんですし、独り占め時間は終わりですよ。僕にも琉衣さんとの時間くださいよ」

「やだ」

「……珍しく引かないんだから」


こんな状況なのに、雪さんの『やだ』が可愛らしく思えてくるのはおかしいかな。


「響!もうなんもねぇから玄関から持ってきたぞ」


靴を手にした颯くんと響くん。
だけど、響くんは呆れた様子だった。


「それはどうも。でも……ねぇ颯くん?」

「は、なんだよ」

「颯くんが玄関からはさめば、雪兄さんと琉衣さん前後から離せたのに。……もう」

「あ……俺バカすぎる!」

「否定はしませんよほんとに!」


まるでコントのような会話につい笑みがこぼれてしまう。
すると、雪さんはわたしの顔をのぞき、颯くんと響くんもわたしを見つめた。


「……琉衣さん、僕たちに取り合いされてるのに」

「なんか余裕だな、小柳」

「そこがかわいいよね」

「おう……ってちげぇよ!ちがくもねぇけど、ちがうんだよ!」