御曹司たちの溺愛レベル上昇中


***



告白して上手くいかなかった咲ちゃんは、教室にいる時普段通りで。
たまたま出くわした颯くんに、慌てずおはようって言ってちゃんと返されてた。

わたしも慌てずにいられたらいいんだけど……。
授業中とか休み時間とかもう一切関係なく、御曹司三人プラスご両親の言葉が頭の中でとびかっていて、とにかく休まらない。
悪いことではなくむしろ、これは幸せなんだろうけど。

あまりにもノリノリな家族すぎてどうしたらいいのか……。


「……あっ、琉衣さん!」


ん?

後ろからの声に振り向けば、ひょっこりと目を輝かせてわたしたちの教室をのぞく響くんがいた。

「え?なんでこっちの教室まで……あ、次移動教室?」
「はい。なんか映像見るみたいで視聴覚室に。琉衣さんの席ここなの?……ってうわ、すごい颯くん睨んでくる」


え?あ……本当だ。がっつりこっち見てる。
すぐにでもこっちに走ってきそうな、そんな顔で。


「わ、わたしは今日からここになったばっかり。席替えしたんだ」
「ふうん、廊下側一番後ろの琉衣さんと窓側の一番前颯くん、か。極端に離れたからものすごい不機嫌そう、あははっ」


あ、そういう……。って響くん笑ってる。