何を話したらいいか分からず、若干混乱気味の頭で言葉を探すも、これと言って見つからないでいれば、
「……親父から許可でればなんの問題もねぇな」
「なんかヒヤヒヤしたよ俺……でも良かった」
「急に来て驚きましたけど、結果すごいいい事が起きましたね……」
各々が独り言のように呟く。
かと思えば、いっきに視線はわたしへと向いた。
──えっ。
視線の圧に無意識で後ろへと下がれば、掴まれる両腕。
「逃げんなよ。親父たちからOKされたんだから」
「ってことは、三人のうち誰かが選ばれるまでは色々とアピールさせてもらいますので。勿論僕だろうけど」
「俺も頑張るよ。もっと俺のこと見てもらえるように」
「……つーことで、覚悟しとけよ?」
まっすぐわたしを見つめる三人の御曹司。
──お父さん、お母さん。
まさかの人生初のモテ期到来です。
同時に、人生最大と言っても過言ではない決断を迫られることになりそうです……。



