『リモート参加のママでーす。ママ的にも可愛い子はWELCOMEっ。あ、あなたが琉衣ちゃんね、うふふっ』
手を振っているふわっとした可愛らしい……お母様が。こ、こちらもお若いっ。
「は、はじめまして」
『はじめまして!かわいーっ』
「どっちも無駄に発音いいな……いつの間にってか、リモートってなんだ?」
颯くん……。
「おバカ颯くんは放っておいて……やったね、琉衣さん僕たち公認ですよ」
「は?やったねじゃねぇよ、お前のじゃない。小柳は俺のだ」
「待って、俺の……にする予定なの」
三人とも立ち上がって、未だスマホが向けられているのに言い合いを始めてしまった。
しかも目の前にお父様だっているのに。
これ、どうしたら……え。
ちらっとお父様たちに目を向ければ、ものすごい綻んだ表情で。
お父様楽しそう。画面の向こうのお母様も。
「……よし!ってことで、琉衣さん。お付き合いは全然いいから、後は誰にするのか……楽しみにしてるよ」
『あたしも楽しみっ。シェアハウス内で取り合いっこなんて。皆がんばなさい!じゃ』
すごい爽やかにお母様は電話を切り、お父様も爽やかに共有ルームをあとにした。
「……え、っと」
見送る間もなく玄関の戸が閉まり、立ち尽くすわたしたち。



