シュンとした目がわたしを見つめるから、うんと大きく頷いて見せると、颯くんはまた顔を埋め大きな息を吐いた。


「はぁー……そっか」


そして勢いよく顔を上げて立ち上がるから、わたしも一緒に立てば、颯くんはわたしの方へ手を伸ばす。


「でも一応、な」


なんかヤダから、と捲っていた制服の袖を戻して、わたしの口元を拭った。


「あーあ、ほんとまともなのは雪兄だけかよ。ったく……お前、あれから響におなじようなことされてないだろうな?」
「え」

「……え、ってなんだよ。また何──」

「いやっ……」


おなじようなことはされてない。
だけど、好きとは言われた……。

でもこれは、颯くんに言わなくても……うっ。

颯くん、すごい目。


「言え」


ためらうわたしを見て今度は頬をつまみ、伸ばし出す。
言わなきゃ永遠とこのままな感じ……。
だから言う言うと頷けば、手は離れていった。


あまり大声で話すことでもないから、話せと言う颯くんに内心、響くんと雪さんに謝りながらこそっと打ち明けることに──